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製作からフライト調整の手引き
400クラス超小型電動ヘリコプター
電動400クラスで高級感と安定飛行が楽しめる!
 昨年(2003年)11月の関西ミニホビーショーで、クラフトるうむから400クラスの小型電動ヘリコプターが発売されると聞いてから、早く発売されないものかと期待を膨らませながら待つこと9ヶ月、この8月にやっとCLIP400が発売されることになりました。3Dフライトにも対応できる本格的な電動ヘリコプターということなので、CLIP400を入手してからというもの、はやる気持ちを抑えながらもなんとかテストフライトにこぎつけました。
 今までの電動ヘリコププターというと、本格的なものではJRのボイジャーEで代表される540クラスの電動ヘリが主流でしたが、昨年の発売された京商のEPキャリバーM24やユニオンモデルのEPチャンピオンHP-01のようにメインローター、テールローター共に固定ピッチ方式で回転数の制御によりコントロールする方式を採用した小型電動ヘリコプターが相次いで登場し、最近では電動ヘリコプターも一段と選択の範囲が広くなりました。
 540クラスの電動ヘリはエンジン機と同様にコレクティブピッチ方式を採用した本格的なものが多く、フライト性能は申し分がないのですが、フライト時間が5分〜6分程度と短かったのが難点でした。一方昨年登場した540クラスよりも小さな超小型電動ヘリコプターは室内でのフライト重視ということもあり、メインローターやテールローターは固定ピッチ方式で多少は飛行特性が犠牲になりましたが、R/Cヘリコプターの小型化と超低価格化を実現し、敷居の高かったR/Cヘリコプターに多くのファンを呼び込むことに大きく貢献しました。
【テクニカルデータ】
メインローター径 635mm
全長 630mm
テールローター径 130mm
ギヤ比 4:1:13.2
全備重量 530g〜550g
モーター 400クラス
飛行時間 約15分
バッテリー 3セル(11.1V)-2100mAh
リチウムポリマー電池
TP2100-3S
CLIP400なら、室内でも屋外でもフライトできる。
 そんな中、400クラスの電動ヘリコプターCLIP400の登場は画期的なものといえます。CLIP400はちょっとしたホール程度の空間であれば、室内でも十分飛行できるサイズです。また、従来の540クラスの電動ヘリやエンジンヘリと同じコレクティブピッチ方式なので、風のある屋外でも安心してフライトできる本格的なコントロールシステムを採用しています。
 何よりも嬉しいのは全備重量550gと軽量な機体なので、400クラスのモーターで十分フライトできることから、現在市場に多く出回っている通常の6C〜10C放電のリチウムポリマー電池がそのまま利用でき、従来の電動ヘリでは考えられなかった10分以上のロングフライトが可能になったことです。
 フライト時間が従来の倍以上になり沢山練習できるということは、これからR/Cヘリコプターの操縦をマスターしたいビギナーの方には非常に重要なことです。
 可変ピッチ方式を採用しているCLIP400は、固定ピッチ方式のヘリより非常に操縦性がよく、フライト時間も長いことから、初心者の方々からベテランの方まで楽しめる電動ヘリコプターといえます。
 特にビギナーの方にこの高級感あふれるCLIP400をぜひ飛行して頂きたいと願い、初心者向けの調整を中心に掲載しました。これからCLIP400でR/Cヘリコプターに挑戦したいとお考えの方は、ぜひご一読頂き参考にして頂ければと思います。

1.製作する前に
 キットの箱を開けるとちゃんとヘリコプターの形に組み立てられたCLIP400がコンパクトに収納されています。モーターやリンケージロッドも取付済みで、後はR/Cメカを搭載して調整さえすればすぐにでもフライトできそうです。
 キットの箱は、メインローターさえ外せば、CLIP400をそのまま収納できますので、機体を傷めずに持ち運びができ、保管するのにも便利です。
 
 製作に取り掛かる前に、まずフライトに必要なR/C装置を揃えます。  CLIP400の性能をフルに発揮するにはできるだけ軽量に仕上げる必要があるので、搭載するメカ類もできるだけ軽くて小さなものを選定する必要があります。
キットは半完成状態で、リンケージロッドやモーターは既に取付済み。 
 エンジン模型用のサーボや受信機は、CLIP400には搭載することさえできないほど大きいので、使用することができません。 
 マイクロサーボに関しては厚みは12mm以下でないとフレームのサーボ取付穴に入らないので、注意してください。
 ここではメーカー推奨のR/Cメカを使用しました。 今回のテストフライトに使用したメカ類は下表の通りです。
 バッテリーは130〜150グラム程度であれば、ニッカドやニッケル水素、リチウムポリマーバッテリーが使用できます。ニッカドやニッケル水素バッテリーを使用する場合は、8セル9.6Vのものを用意します。 フライト時間を優先するのなら3セル(11.1V)-2000mAh程度のリチウムポリマー電池がお勧めです。ここでは約15分のロングフライトが実現できるサンダーパワーシリーズのリチウムポリマーバッテリーTP2100-3Sを使用しました。
 モータースピードコントロール用のアンプは、3セルまでのリチウムポリマーバッテリーに対応しているタマゾーシリーズの新型アンプを今回初めて使用しました。このアンプはバッテリー切れでオートカットが働いても一気にモーターパワーをカットせずに徐々に出力を下げる安全機能があるので、ヘリコプターのホバリング中にバッテリー切れになっても安心して着陸することができます。
 CLIP400のフライト中のモーター電流が分からなかったので、今回は余裕を見て35AクラスのM3512Sアンプを使用しました。後にモーター電流を測定してみたら、ホバリングで約4〜5A、最大ピッチのフルスロットル時で約13A程度と、一般的な400クラスの電流と近い値でしたので、18AクラスのM1812Sアンプでも十分使用できそうです。このアンプを使用した場合、サーボ1個分近く軽量化ができます。
 送信機については、6ch以上のヘリ用プロポであれば問題ありません。ただし、小型軽量で定評のあるSmart RX8受信機を使用するには、この受信機は72MHz用のものしか販売されていないので、72MHz帯のヘリ用プロポを用意する必要があります。ここでは普段私が愛用しているX-3810ADTプロポを使用しました。 
 この他にもCLIP400をフライト可能な状態にするには、リチウムポリマー電池対応の充電器や、バッテリーとアンプを繋ぐコネクターとアンプとモーターを繋ぐコネクター、そしてバッテリーと充電器を接続するためのコネクターが必要になります。
 以上のR/Cメカ類を、組み立てる前に用意しておきます。
【テストフライトに使用したR/Cメカ】
受信機 クラフトるうむ Smart RX8 72MHz
クリスタル GWS シングルRX用マイクロクリスタル 72MHz用
マイクロサーボ クラフトるうむ C0816サブマイクロサーボ×4個
アンプ
(モータースピードコントロール用)
タマゾー M3512S(連続35A、最大39A)
※タマゾー M1812S(連続18A、最大21A)も使用可。
ジャイロ クラフトるうむ CG04
後にJRのテールロックジャイロ G410T でもテスト
バッテリー サンダーパワー TP2100-3S(11.1V-2100mAh
充電器 K&S KSチャージャーDX PRO

2.製作
 どんなR/Cモデルでもいえることですが、案外製作過程のなかで時間がかかり、面倒なのがデカールシールの貼り付け作業です。私の場合は一通り製作ができ、基本のプリセッティングが完了したらすぐにフライト調整したくなるので、面倒なデカール貼りは製作する前に済ませてしまいます。 製作する前にデカールを貼ったほうが、早く飛ばしたいという気持ちを落ち着かせることができ、案外デカールも綺麗に貼れるような気がします。
 尾翼類のデカールを綺麗に貼るには、取付済みの水平尾翼と垂直尾翼を一旦テールブームから外して、デカールを貼ってから再度取り付けた方がよいでしょう。

 デカールが貼れたら、いよいよR/Cメカ類を搭載します。 
 その前に、バッテリーとアンプを接続するためのコネクターをバッテリーとアンプそれぞれ取り付けておきます。できるだけ軽量に仕上げたいので、小型軽量で信頼性の高いMPXコネクターを使用しました。また、モーター接続用のコネクターもアンプに半田付けしておきます。モーターの接続用には、2ピンBECコネクターのオスを使用します。ABCホビーのゴールドピンタイプがお勧めです。
 コネクターが取り付けられたら、全てのサーボとアンプを受信機に接続して、アンプにはバッテリーを接続します。
 ※この時点ではモーターとアンプのコネクターは接続しないでください。急にモーターが回転すると非常に危険ですので、ご注意ください。
 送信機の各トリム及び各スティックはは全てニュートラルにします。この状態で送信機と受信機の電源を入れ、各サーボがニュートラル位置になるようにします。 
 この状態で各サーボホーンとリンケージロッドが直角に交わるように、サーボホーンの取付角度を調節し、サーボの出力軸にサーボホーンを取り付けます。使用しない残り3箇所のサーボホーンの爪部分をニッパーなどでカットしてください。 
 ここで気になったのですが、エレベーターのリンケージロッドをそのままエレベーターサーボと直結するとロッドがエレベータークランクに接触し、エレベーターの最大舵角が制限されるようです。 
 スワッシュプレートはエレベーター方向、エルロン方向共に可能な限り傾けることができるようにした方が、舵の利きは強くできます。ですのでロッドが前後に動いてもエレベータークランクに接触しないように、エレベーターロッドのピアノ線は軽くSの字状に曲げて逃がすようにします。 (左の写真を参照)
 このようにエレベーターロッドを2箇所緩やかな角度で曲げておくこと、スワッシュプレートがフルダウン〜フルアップまで、ロッドがエレベータークランクやフレームのステー部に干渉することなくスム-ズに動かせるようにできます。
 エルロンロッドについては、エルロンサーボとストレートに直結してもフレームに接触しないようですので、特にロッドを曲げる必要はありません。
 エルロン及びエレベーターサーボがニュートラル状態(送信機の各スティック及びトリムが全てニュートラル)にして、機体を前後左右から見てスワッシュプレートが完全に水平となる状態になるようロッドの長さを調節し、ロッドの先端をZ型に曲げます。
 エレベーターロッドはサーボホーンに3つある穴の内、真ん中の穴(一番外側から1つ内側の穴)に差込みました。これでスワッシュプレートが可動できる最大量傾けることができます。
 エルロンのサーボホーンについては、最初はエレベーターと同様に真ん中の穴を使用していたのですが、ロールレートが遅くロールがうまくできなかったので、スワッシュプレートが最大に傾けられるよう一番外側の穴を使用することにしました。
 ※初心者や入門者の方は、この設定ですと舵が利き過ぎる場合がありますので、プロポのデュアルレートの設定で最大舵角を小さくしてフライトするようにしてください。
 ラダーについては、正確なニュートラル位置は飛行してみないと分からないので、とりあえずは取扱説明書に記載されているように、テールドライブシャフトとテールピッチコントロールレバーが直角(90°)になるようにロッドの長さを調節して、ロッドの先端をZ型に曲げておきます。
 使用するバッテリーや、ピッチ、スロットルなどのセッティングによっては、ラダーのニュートラルはずれる場合があるので、できればラダー用ロッドは長さが調節できるタイプのものに変更したほうがよいでしょう。
 私も最初はキットに付いていたラダーロッドをそのまま使用していましたが、テスト飛行を行った時点で送信機側のトリムを大きく左トリムにしなければならなくなったので、ラダーのリンケージロッドは長さが調節できるテトラのロッドアジャスターMH−45に変更しました。
ラダー用のリンケージロッドは長さが微調整できるタイプが便利。
 ラダーのロッドは真っすぐにリンケージしようとするとロッドがサーボケースに接触するので、左写真のように下側に逃がしてロッドがサーボに接触しないようにロッドを曲げておきます。
 ピッチ用のロッド先端は既にZ型に曲げてあるので、サーボニュートラル時にロッドとサーボホーンが直角に交わる位置にサーボホーンを取り付ければOKです。写真ではアンプのコードで隠れてしまっていますが、ピッチサーボのホーンは真ん中の穴(一番外側から1つ内側の穴)を使用しています。
 各サーボが取り付けられたら、ジャイロをフレーム側面の所定位置にスポンジ製の両面テープで貼り付けます。ジャイロ取付に関しては、電動の場合はエンジン機ほどの振動は発生しないので、ホームセンターなどで入手できる通常のスポンジタイプの両面テープで貼り付ければ大丈夫です。あまり厚さのあるものはぐらつくことがあるので、しっかり固定できるように厚さ1mm程の防振タイプの両面テープで固定しました。
 超小型サイズのCG04ジャイロを使用する場合、このジャイロはサーボの動作方向を切り替えるには、ジャイロの取付方向を180度反転させる必要があります。 JR製の送信機使用時には、上の写真のようにCG04ジャイロを上下逆にすれば、正常な動作方向になります。この場合、ジャイロから出ているコネクターと受信機との間が長くなりますので、長さ100mm程のサーボ延長ケーブルが別途必要になります。
 他のメーカーの送信機を使用する場合には、上の写真とは逆に取り付けなければいけない場合もあるので、ヘリ本体をヨー軸方向に振った時に、ちゃんとラダーサーボがその動きを止める方向の動作しているか確認してから取り付けてください。 例えば上からヘリを見て、機首を左に振った場合、送信機のラダースティックを右に打った方向にラダーサーボが動作していればOKです。

ジャイロはメインマストと必ず平行になるように取り付ける。
 ジャイロの取り付けで特に注意して欲しいのは、ジャイロ本体はメインマスト(メインローターを回転させる一番太い回転軸)と必ず平行になるように取り付けてください。でないとヘリのヨー軸方向以外の回転動作(ピッチ軸やロール軸)にジャイロが反応してしまい、非常にコントロールし難いヘリコプターになってしまいます。
 アンプは取扱説明書に記載されているように、フレームの底面に取り付けてもよいのですが、後でジャイロをテールロックジャイロに載せ換えテストしたいと思い、フレームの底面は空けておくことにしました。市販されているテールロック(メーカーによってはヘディングロックとかAVCSともいう)ジャイロはかなりサイズが大きいので、フレームの右側面に取り付けることが不可能です。その代わりにアンプをフレームの左側面にナイロンの紐で縛り吊るしておくことにしました。
 メインローターブレードをローターグリップに取り付ける前に、2枚のブレードのバランスを調整しておきます。
左の写真のように、ブレードバランサーを使って、軽い方のブレードの先端にトラッキングテープを貼り2枚のブレードが同じ重さになるように調節します。
 トラッキング調整時にトラッキングの状態を確認するには、2枚のブレードの内どちらか一方のブレードの先端に認識可能なテープを貼る必要があります。トラッキングテープを貼った側のブレードが重くなる場合は、もう一方のブレードの先端に、テープの量を調節して、先程とは異なる色のトラッキングテープを貼り、2枚のブレードが同じ重さになるように調節します。
 ロータグリップには、それぞれのローターブレードをどちらのグリップに取り付けるか、予め一方のグリップに色の付いたテープを貼っておきましょう。 こうしておくことで、トラッキング調整後にローターブレードを外しても、再度それぞれにのグリップに同じブレードを間違えることなく取り付けることができ、ローターブレードを外す毎にトラッキングを再調整をする手間が省けます。
 ローターブレードをグリップに取り付ける時には、回転方向を確認してブレードの表裏が正しい方向となるよう取り付けてください。
 また、ローターブレードを固定する3mmのキャップスクリューネジをあまり硬く閉め過ぎると、機体が振動する原因になります。ブレードの根元(グリップに近い側)を摘んで前後に軽く動く程度に固定すればよいので、閉め過ぎには注意してください。かといって飛行中にナイロンナットやブレードが外れる程緩め過ぎるのは問題外ですが。
 バッテリーとヘリのフレーム(バッテリー収納部)にマジックテープを貼り付け、バッテリーは脱着できるようにします。
 次にバッテリーの搭載位置を調節して機体の重心を合わせます。右上の写真のようにスタビライザーバーを機体の前後方向に対し直角になる位置にセットして、左右のスタビライザーバーの下から軽く手を添え機体を持ち上げます。テールが下がる場合は、バッテリーをもう少し前側に移動します。機体が前後方向に傾くことなく水平になればOKです。
 以上で組立としては完了で、全備重量は約530g(G410Tジャイロに変更後は約545g)に納まりました。

完成したCLIP400

3.調整(プリセッティング)
 R/Cメカ類の搭載が完了したら、CLIP400が飛行できるように、予め送信機の初期設定を行っておきます。細かい調整は実際にフライトしながら行いますが、ここでは大まかな調整をしておくことで、実際のフライトに備えることにします。
 まず付属のピッチゲージを使用してメインローターのピッチ設定を行います。付属のピッチゲージをメインローターブレードの先端に取付けスタビライザーバーを水平にします。ピッチゲージの上側のエッジがスタビライザーバーと平行になるように、送信機側のピッチカーブ値を設定します。
 ピッチの設定を行う場合は、送信機のスロットルスティックを上げ下げしますので、ローターが回りださないよう、必ずモーターのコネクターはアンプから外しておいてください。急にローターが回転すると、非常に危険ですのでご注意ください。
 取扱説明書に記載されているように、スロットルスティックがホバリング位置では+3°と、通常のエンジン機と比べると浅いピッチ設定となっております。この浅いピッチ設定値から、CLIP400のローター回転数は高めのに設定することが望まれていることが推測できます。
 事実テストした際、ピッチは大きめでローター回転を低めに設定するより、ピッチは低め(低いといっても+3°程度だが)でローターの回転を高めで設定した場合の方が機体の据わりもよく、ホバリングが安定します。 
LOW(最スロー)時: 0° MIDDLE(ホバリング位置): +3° HIGH(フルスロットル): +7°
 ビギナーの方の場合、スロットルスティック最スロー時にはピッチが0°になるように設定しておいてください。風がある日などは、少しマイナスピッチの設定をした方が機体の上下動が抑え易いのですが、この設定だと着陸する時に機体を地面にたたき付けるように降ろしてしまう場合があるので、慣れるまではスロットルスティック最スロー時のピッチは0°にしておいたほうが無難です。
 スロットルスティックが中立のホバリング位置では、+3°になるように送信機のピッチカーブを設定します。フルスロットルでは+7°になるようにそれぞれ設定してください。
 ピッチカーブの設定は重要ですので、できるだけ正確に上記ピッチとなるよう設定してください。また、2枚のメインローターブレードが同じピッチになるように、メインローターグリップに付いているピッチロッドの長さを調節してください。ピッチロッドを調節するには、一旦、メインローターグリップのボールからピッチロッドのロッドエンド部(黒い樹脂の部分)を外し、ロッドエンドを回してピッチロッド全体の長さを調節します。ロッドエンドを右回しで締めていくとピッチは小さくなる方向になり、左回しで緩めていくとピッチはプラス方向に大きくなります。
 次にスロットルカーブを設定します。最初スロットルスティックが中立のホバリング位置で、エンジン機のように50%に設定してテストに望みましたが、この設定だと実際にホバリングするスティック位置は中立よりハイ側の位置で、かなりのハイピッチとなりローターの回転も低めでホバリングが安定しませんでした。色々試行錯誤の結果、ホバリング時のスロットルは70%〜75%くらいがよいと思います。現在私のホバリングスロットルの設定を見ると72.5%に設定してあります。 最スローは0%の設定にし、フルスロットルが100%になっていればOKです。最スローとホバリングの間やホバリングとフルスロットルの間の設定は、実際にフライトしてみて微調整します。
 今回私が使用した送信機はJRのX-3810というプロポです。このプロポの場合の設定例を下表の通り掲載させて頂きます。全てのメーカーのプロポにこの設定がちょうどよいとはいえないので、あくまでも参考ですのでご注意ください。
JR X-3810 A.D.T DATA SHEET<CLIP400> 
SWASH TYP 1 servo
MODULAT PPM modulation
REVERSE SW 1CH(THRO) 2CH(AILE) 3CH(ELEV) 4CH(RUDD) 5CH(GEAR) 6CH(PIT) 7CH(AUX2) 8CH(AUX3)
NOR NOR NOR NOR NOR REV NOR NOR
SUB TRIM
TRAVEL ADJUST H:100%
L:100%
L:95%
R:95%
D:75%
U:75%
L:100%
R:100%
+:100%
-:100%
H:100%
L:100%
+:100%
-:100%
+:100%
-:100%
D/R(デュアルレート) UP - 100% 100% 100% - - - -
DOWN - 70% 70% 70% - - - -
THRO CURV スティック位置 L 1 2 3 4
NORM 0% 44.5% 72.5% 88% 100% ホバリング用
ST-1 68% 68.5% 75% 86% 100% 上空飛行用
ST-2 100% 100% 100% 100% 100% スタント飛行用
PITCH CURV スティック位置 L 1 2 3 4
NORM 42% INH 62% INH 78% ホバリング用
0° +3° +7°
ST-1 26% INH 62% INH 78% 上空飛行用
−3° +3° +7°
ST-2 0% INH 40% INH 78% スタント飛行用
−7° +0° +7°
※HOLD 0% INH 50% INH 100% オートローテーション用
−7° +12°
REVO.Mix CG04ジャイロ使用時 NORM Up: R30%、 Dn: R30%
STNT Up: R0%、 Dn: R0%
JR G410Tジャイロ使用時 NORM Up: 0%、 Dn: 0%
STNT Up: R0%、 Dn: R0%
THR HOLD ACT HOLD Pos.: -5.0%
GYRO SENS INH   -
ピッチカーブの数値は気にせず、ピッチ角度を参考にプロポの設定を行ってください。 
ST-1のスロットルカーブ及びピッチカーブの設定は、ホバリングから上空飛行までに対応できます。但しスタント飛行には対応していません。ループやロールなどのスタント飛行を行う場合にはST-2の設定を使用してください。
オートローテーションのピッチは設定可能な最大ストローク範囲(0%〜100%)に設定。
 (オートローテーションは実際には使用していません。)

 設定の必要なアンプを使用している場合には、ここでアンプの設定をしておきます。今回使用したM3512Sアンプはプログラムモードでバッテリーの種類(ニッカド・ニッケル水素/Li-Po)や、バッテリーのセル数、ブレーキのON/OFFなどの設定ができます。今回は3セルのリチウムポリマー電池を使用するので、バッテリーはLi-Poに設定、セル数は3セル、そしてブレーキはOFFに設定しました。
 CG04ジャイロのゲイン調整用トリマーは、最終的にはフライトをしながら微調整しますが、とりあえず初期設定としては中立の位置から右に45°程回した状態(ゲインが大きくなる方向)にしておきます。
 以上のプリセッティングが完了したら、フライト調整に備えしっかりバッテリーを充電しておきましょう。
 リチウムポリマーバッテリーを充電するには、リチウムポリマーバッテリーに対応した充電器を必ず使用してください。ニッカドやニッケル水素用の充電器では充電ができないだけでなく、最悪はバッテリーが発火したり、破裂したりするので十分注意してください。
 最近はクラフトるうむから出ているスワローチャージャーやK&SのKSチャージャーDX PROなど、リチウムポリマーバッテリーに対応した安価で高性能な充電器があるので、このような充電器を使用して設定さえ間違えなければ、ニッカドやニッケル水素バッテリーと同様に安全かつ確実にリチウムポリマー電池を充電することができます。
 リチウムポリマー電池は、必ず1C以下の充電電流で充電してください。
 
 今回使用したバッテリーは、3セル-2100mAhのリチウムポリマー電池ですの、この場合の1Cは2.1Aとなります。 また、リチウムポリマー電池の1セル当りの電圧は3.7Vですので、3セルということは、11.1Vになります。
 上の写真のように、バッテリーの種類はリチウムポリマーを選択し、電流は2.1A、電圧は11.1Vに設定してから充電を開始します。
 バッテリーの残量にもよりますが、空に近い状態から充電した場合、約1時間〜1時間30分くらいで充電が完了します。


4.フライト調整
 ヘリコプターの操縦がし易く、安定した飛行ができるようにするには、実際にフライトしながら各部を調整する必要があります。
 調整するポイントは順番からいくと、まずメインローターのトラッキング調整、次にジャイロの感度調整、各舵(ラダー、エルロン、エレベーター)のニュートラル調整、ピッチカーブ、スロットルカーブの再調整、そしてフライトフィーリングを自分好みにするために、各舵のデュアルレートやエクスポネンシャル(EXP)値などを調節します。

トラッキング調整前

トラッキング調整後
 まずメインローターのトラッキング調整についてですが、ホバリングしている時のローターの回転面を横から見た時に、左上の写真のように2枚のローターブレードの先端が二重に見える場合には、右上の写真のように2枚のローターが重なって一重に見えるようにトラッキングを調整する必要があります。(ビギナーの方は機体が浮く直前の状態でトラッキングを確認してください。)
 上の写真の例では、赤いテープの貼ってあるローターの方が、青いテープの貼ってあるローターよりも上側の軌跡となっているので、赤いテープ側のローターのピッチを減らすか、あるいは青いテープ側のローターピッチを増やすようにします。 メインローターのピッチを増減するには、前述の通りピッチロッドのロッドエンドを閉めるか緩めるかしてピッチロッドの長さで調節します。
 ジャイロの感度(ゲイン)は、ホバリング中にテールが小刻みにハンチングするまで一旦ゲインを上げて、次にハンチングが無くなる所までゲインを少しずつ下げていきます。(ハンチングしないぎりぎりまでゲインを大きくしておくことが望ましいので。)
 また、横風や後方からの追い風でハンチング現象が出る場合は、もう少しゲインを下げます。最終的には、上空を高速で飛行してもハンチングが起こらなければOKとします。 (CG04ジャイロの場合の最終的なゲイントリマーの位置は、中立の位置から右に45°ゲインが大きくなる方向に回した初期設定位置に落ち着きました。)
 ジャイロのゲイン調整と同時にラダーのニュートラルも調整しておきます。ホバリング中にラダースティックをニュートラル位置にして、機首が振る場合には、プロポのラダートリムを調整します。 ラダートリムの調整ができたら、このニュートラル時のテールピッチコントロールレバーの位置に印を付けておきます。ラダースティック及びラダートリムをニュートラルに戻して先程印を付けた位置にテールピッチコントロールレバーが来るようにラダーロッドの長さを調整し、ホバリング中に機首が振らないようにします。
 同様にエルロン、エレベーターのトリム調整も行います。最終的は各スティック及びトリムがニュートラル時に、できる限り機体が一箇所に留まっているように、プロポのサブトリムを調節します。(長さが調節できるタイプのリンケージロッドを使用している場合はリンケージ側で調節します。)
 以上のような調整ができたら、後は好みに応じてピッチカーブ、スロットルカーブ、各舵のレート(デュアルレートやEXP値)などを調節します。

5.フライト・インプレッション
 悪天候と忙しさが度重なり、なかなかよいフライト日和に恵まれず、6フライト目にして何とか自分なりに納得がいく機体に仕上がりました。
 最初の数フライトはホバリングが決まらず、ホバリングスロットルの最適値を見つけるための試行錯誤でした。元々私の場合、ホバリングは低めの回転でおとなしいのが好みですが、以前ボイジャーEの調整を行った時のことを思い出し、思い切ってホバリングスロットルを上げていくことにしました。現在の設定に落ち着いてからはホバリングの安定感が最初とはガラリと変わりました。
 室内の飛行では、スティック操作に忠実に反応してくれ、思い通りにピルエットや上昇、下降、前進、後退ができます。止めたい位置でしっかり止まってくれるので、室内でのフライトに不安を感じさせません。
 また、草木が揺れるくらいの風が吹いている屋外では、機体の上下動をしっかり抑え込むことができ、コレクティブピッチ方式の恩恵を十二分に発揮している感じです。 ダウンを打ってスロットルスティックをハイ側に倒すと、30クラスのエンジン機と比べても遜色ない角度と速度で急上昇していきます。 水平飛行からアップを引くと綺麗に垂直上昇し、ストールターンを行うことがができます。通常のバンクさせて行うターンも高度が落ちることなく綺麗にターンができます。
 アイドルアップ(ST-2)にスイッチを切り換え、数回のストールターンを行い機速を付けた所でフルアップを引いてみると、見事に宙返り(ループ)に成功しました。 ST-2の設定では、マイナスピッチは-7°と大きいので、ループの頂上で急激にピッチを抜き過ぎると背面の状態で頭上げとなって機速が止まるので、ピッチは抜き過ぎないほうが綺麗なループができます。また、アイドルアップ時のスロットルスティックがニュートラル位置でスロットルを80%に設定していたら、ループ最後の下方で落ち込みが激しかったのですが、現在の全スロットル位置で100%の設定にすることで、この落ち込みはなくなり綺麗にループが描けるようになりました。
 ループの次はロールに挑戦です。思い切ってフルエルロンを打ちますが、ロールレートが遅すぎてロールに入りません。どうも舵角が足りないようです。一度降ろして、エルロンのサーボホーン真ん中の穴にエルロンロッドが付いていたのを、一番外側の穴に換えて舵角を増やしてみました。今度はややバレルロールぽいですが、背面時の落ち込みもなく成功しました。ロールについては、もう少しシャープさが欲しい所ですが、この点については、これ以上はスワッシュプレートがマストストッパーに接触しそうで舵角が増やせないので、オプションのブラシレスモーターとカーボンローターの組合せに期待してみたいと思います。
 気になる飛行時間ですが、ホバリング中心の飛行なら3分〜5分程度の飛行を3回、トータルで10分〜15分は可能です。ホバリング中心のフライトでは、特にモーターが熱くなり過ぎる傾向があるので、5分程度フライトしたら数分程度休ませ、モーターの温度が下がってから再フライトというように、数回に分けて飛行した方がモーターの寿命は長くできると思います。走らせると効率はよくなるので、アイドルアップ(ST-1)のモードで気楽に連続10分くらいの上空飛行が楽しめます。 さすがにアイドルアップ(ST-2)のモードでは常に100%出力なので、正確なフライト時間は計っていないのですが、かなり短くなるような気がしました。アクロをやる場合は、早めに降ろした方が無難だと思います。 
 今回はオプションのパーツは一切使用せずに、100%キットの内容でテスト飛行を行いました。(正確にはラダー用のロッドだけ微調整できるタイプに変更しましたが...)こんなに小さな超小型電動ヘリコプターにもかかわらず、ノーマルの状態でも十分なパワーでスタント飛行もやってのけ、特にホバリング、上空飛行の操縦のし易さ、安定性の良さは、ヒロボーのエンジンヘリコプター、「シャトル30」の飛行に何となく似ているような気がします。
 一般的に電動ヘリコプターは飛ばないといわれていた数年前頃は、R/Cヘリコプターのビギナーの方には、どちらかといえばエンジン機の方を勧めていました。しかし、このようにパワフルで高性能、そしてエンジン機と比べても遜色のないロングフライトができるCLIP400が登場した以上、もう電動ヘリコプターを勧めない理由が見つからないくらいです。電動ヘリコプターの最大の特徴である低騒音を最大限に活かして、ビギナーの方にこそ、このCLIP400で沢山練習してもらえればと願って止みません。

6.グレードアップ

 今回は通常のレートジャイロ(CG04)とテールロックジャイロ(G410T)の2通りのジャイロでテストしてみました。CG04ジャイロによるフライトでは、レボリューションミキシングを用いてもややテールの抑えが甘く、スロットルワークに伴い少しテールが振る傾向が見られました。エンジン機の場合はフライト時間に関係なくパワーは安定していますが、電動の場合は、フライト時間と共にバッテリー電圧が徐々に低下していきます。この電圧低下による影響で、充電直後に調節したラダーニュートラル位置がフライト時間が経過すると共にずれが生じてしまいます。また、今回用いたリチウムポリマー電池は、ニッカドバッテリーと比べると重量当りの容量は約4倍と大きいのですが、内部抵抗はニッカドやニッケル水素バッテリーよりも大きいので、負荷変動に伴う電圧変動の影響でローターの回転変動が顕著になる傾向があります。このような電圧変動に伴うローターの回転数変動がラダーのニュートラルのずれやヨー軸方向の動きとなって現れ易い傾向があるようです。このような電動ヘリには、テールロックジャイロが威力を発揮します。テールロックジャイロは、積分制御という方式を採用していて、入力(受信機からのラダー信号)とヨー軸方向の角速度(ジャイロセンサー信号)の差がゼロになるまでラダーサーボに信号を送り続けます。その結果、ラダースティックを操作しない限りは、今向いている機首方向を保持しようと働きます。つまり風や、ローター回転の変動に伴うトルク変動があっても、常に機首方向を保持してくれるだけでなく、バッテリー電圧の低下が原因で起こるニュートラルのずれまでキャンセルしてくれるという特典が付いてきます。
 理屈はさておき、テールロックジャイロ(G410T)に載せ換えてからは、少々の風でもテールを抑えるためのラダーをほとんど打つ必要がなくなりました。電動ヘリ特有の飛行時間が経過するに連れて、ラダーのニュートラルがずれてくることも全くありません。ラダーの修正舵を頻繁に打つ必要がなくなり、前よりずいぶん飛ばし易くなった感じがします。
 現在市販されているテールロックジャイロはエンジン機用のものが主流なので、少し重量アンプすることは避けられませんが、それ以上の恩恵があることは間違いなしです。正にテールロックジャイロは電動ヘリにこそ必要なアイテムといえると思います。
 テールロックジャイロ(G410T)は機体のフレーム底面にジャイロ付属の両面テープで貼り付けた。

【テールロックジャイロの調整方法について】
 まずジャイロのディップスイッチはテールロックモードではなく、ノーマルモードにしておきます。ノーマルモードでハンチングが出ない程度に感度調整を行い、ラダーのニュートラルを調整します。
 ニュートラルの調整方法は、トリム、サブトリム、ラダーステッィク全てをニュートラルにした場合に、機首が左右に振らないようラダーのリンケージロッドの長さで調節します。
 
 ニュートラルの調整ができたらテールロックモードに切り替え、ゲインの再調整を行います。 テールロックモードに切り替えると、ラダーのニュートラルがずれる場合には、プロポのラダートリムかサブトリムで微調整します。

7.CLIP400について気がついたこと

 この項で初期のCLIP400のテールドライブ用クラウンギヤが欠け易いという問題点に触れようと考えていたのですが、あれよあれよという間にベベルギヤ仕様に改善され、遂にはベルトドライブに変更できるオプションパーツまで用意されることになり、あえてここで述べる必要がなくなってしまいました。
 ここで記載しようと考えていた内容も含めて、CLIP400のテールドライブ方式をベルトドライブに変更できるベルトドライブコンバージョンの組立方法について掲載させて頂きましたので、CLIP400 ベルトドライブコンバージョンの組立方法のページをご覧ください。
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