めざせ単独飛行!
その3. これなら手軽にハンドランチ!!
当サイトに寄せられたRCファンからのあつ〜いメッセージ。
ハンドランチグライダーの電動化で新たな世界を創出!
こんな楽しみ方もあったのね! 皆さんもお試しあれ〜

グライダーが欲しかった

 27MHz帯使用のパークプレーンを除けば、手元にあるちゃんとした(?)ラジコン機はミニ・スポーツ機のMicro Pepper II(クラフトるうむ)だけだったりする。このMicro Pepper IIを購入した時に、第3回クラフトるうむカップのビデオをサービスしてもらった。これに登場するハンドランチグライダーだが、パイロットの腕が確かなこともあって本当に見事に飛ぶ。もともとアクロ飛行にはあまり興味が無く、上空を周回させながらサーマルを探したり、土手スロープの吹き上げがないか試したりするほうが好きなこともあって、すっかりハンドランチグライダーが欲しくなってしまった。

 しかし私は肩が異様に弱い。自慢ではないが、学生時代のソフトボール投げは常に20mを切っていたし、オーバースローで全力投球を繰り返すとまず間違いなく数投目で肩が痛み出す。さらに、クラフトるうむの機体は完成機で購入すると機体だけで約4万円ほどかかる。こういう状況ではハンドランチグライダーの購入はちょっとなあ、と思っているときに目に付いたのが、Snappy(QRP)だった。全長700mm、全幅970mmとコンパクトな機体なので、車に積みっぱなしが出来そうだ。バルサキットでの販売だが、近所のショップでも7千円台で入手できて割安感がある。この値段だったら、ハンドランチグライダーとして楽しめないときは改造して動力化するのにもためらいは感じない。というわけで、Snappyが手元にやってくることになったのだった。

バルサキットに初挑戦

 さて、実はバルサキットに挑戦するのはこれが初めてである。インターネットで情報を集めたり、製作のコツを解説したムックを買ったりしているうちに、購入してから結構時間が経ってしまった。この間に、QRPのキットは金属製品並の精度があり、製作の容易さは定評があるということを知り、それなら一つ年内の進空を目指そうか、と10月半ばぐらいに製作を開始し、メカ類も手配した。

 詳しい製作過程は省くが、評判どおりに作りやすいキットだったと思う。土日が作業の中心であり、かつ初心者ということもあって部材確認と仮組に十分時間をとったこともあって、結局完成したのは11月22日だった。だがバルサキットの工作に慣れた人だったら、生地完成までに一日ぐらいしかかからないのではないだろうか?

 工作の仕上がりだが、あちこちに工作不良のため強度に不安のある部分があったり、仕上がりが汚かったり、フィルムの貼り方がいい加減だったりと正直あまり褒められたものではないと思う。だが、なんといっても自分が手塩にかけた愛機だけに、愛着は一塩だ。ちなみにハンドランチグライダーとして完成した時点のスペックは以下のとおりである。

【テクニカル・データ】
全長: 700mm
全幅: 970mm
重量: 200g弱?(秤を持っていないので推定値)
受信機: GWS PICO 4ch(72MHz、フタバ仕様)
サーボ: GWS PICO STD5.4gマイクロサーボ×2
バッテリー: 4.8V 110mAh Ni-Cd(ユニオンモデルのものを使用)

 とりあえず滑空テストを済ませて問題ないことを確認し、翌日を待った。

ハンドランチグライダーとして完成したときの映像

ハンドランチグライダーの夢砕ける

 明けて23日午前、フライトエリアにしている河川敷へと勇んで出かけた。微風かつ晴天。きっとサーマルもあちこちにあるに違いない。一投目からサーマルをヒットしたらどうしようなどと、今になって振り返ればまさに捕らぬ狸の皮算用をしながらSnappyを組み立てる。ラダー、エレベータとも正常に動作することを確認すると、エイっとばかりに投げ上げた。

 もちろん、書くまでもなく結果は惨敗である。まともに高度が取れない。一番高く上昇したときで、高度は10mなかったと思う。ひょっとしたら5mにさえ届いていなかったかもしれない。こんな状態だから飛行時間は秒単位である。それが悔しくて何回か投げているうちに、恐れていたことが起こった。肩が痛み出したのだ。このまま無理して投げ続けていると、明日から腕が上がらなくなる。そう判断してフライトを中止し、河川敷から引き上げた。半ば予想していた結果ではあったが、やはりショックだった。とはいえせっかく作り上げたSnappyをこのままお蔵入りさせてしまうのも忍びない。メカ類を手配したとき、ハンドランチがダメだったときにはすぐに動力化できるよう、モーターとアンプも購入している。というわけでこの日のうちに動力化に取りかかることにした。


お手軽動力化

 準備していたモーターはGWSの50XC。これを2個使用し、双発仕様とした。プロペラは付属のEP3020をそのまま使用した。モーターの取付け箇所は主翼後縁。簡単なモーターマウントを自作し、推力方向がわずかに下向きになるよう調整した上でプッシャー形式として両面テープで取り付けた。アンプはGWSのSPEED5。クラフトるうむではこのアンプを使って50XC双発仕様のMicro Pepper IIを飛ばしているとのことなので、安心して使用した。

 配線類のハンダ付けに多少てこずったものの、お手軽改造なだけに午後一杯で改造は終了した。改造後のスペックは以下のとおりである。

【テクニカル・データ】

全長:

700mm(変更なし)
全幅: 970mm(変更なし)
重量: 200g台前半?(推定値)
受信機: GWS PICO 4ch(72MHz、フタバ仕様)
サーボ: GWS PICO STD5.4gマイクロサーボ×2
アンプ: GWS SPEED 5
モーター: GWS 50XC(純正ヒートシンク付)×2
プロペラ: モーター付属EP3020
バッテリ: 6V 700mAh Ni-MH(ユニオンモデルのものを使用)

 この状態でもきちんと滑空することを確認した時点で作業を終了し、再び翌日を待った。

こんな感じでモーターを取り付けています


モーターマウントはこんな感じ。固定は両面テープ


機体に装着するとこうなります。ちなみに尾翼側から見た図

.ビギナーズ・ラック

 24日午前、再びの河川敷。昨日同様に微風かつ晴天。動力化したSnappy(以下Snappy改)を組み立て、動作チェックする。ラダー、エレベータの動作正常。モーターも2個そろってきちんと回転し、推力を発生している。フルパワー時にモーターが共鳴する音がなかなか快い。しかし、昨日とは打って変わって心の中は不安で一杯だった。ダウンスラストは充分か。重量は過大ではないか。モーターの推力は充分か。楽観的になれる材料は一つもないのに、不安材料だけは山ほどある。この時点では、Snappy改が一二度手酷く地面とキスすることを覚悟していた。

機体を上からみた写真です。

機体を下から見たらこんな感じです。


 しばらく発進させるのをためらっていたが、飛行機は空を飛ぶために生まれてきたのだと腹を決めた。モーターをフルパワーにして、少し強めに手投げする。手から放れたSnappy改が沈み込んでいく。やはり駄目かとあきらめかけたとき、上昇を始めた。周回させようと舵を打ったが、そのとたんに高度を失おうとする。慌てて当て舵を打つと何とか回復する。これを二三度繰り返すうちに翼がうまく空気を掴んだのか、周回しながら順調に上昇し始めた。飛行ぶりは本当に安定している。送信機から手を離しても、何の不安もない。充分に高度を取れたのでモーターカットしてみると、滑空の文字どおり、滑るように降下してくる。初フライトということでそのまま降ろしてしまったが、滑空距離が伸びるので狙っていた位置よりはるか先に着地したことを除けば、着陸も満足する出来だった。

 信じられないことに、セッティングは最初から満足できるものだった。まさにビギナーズ・ラック。幸運の女神様も、たまには微笑んでくれるものらしい。結局この日はフライトの感じを掴むために短時間のフライトを2回こなし、翌25日は長時間フライトを2回楽しんだ。いずれも満足できるフライトだった。

なかなかのフライトを見せたスナッピー改(電動バージョン)


フライト・インプレッション

 現時点でのフライト・インプレッションをまとめたい。

(1) 飛行時間

 現在の最長飛行時間は20分+?というところだが、着陸後にモーターを回してみたところまだ充分に推力を発生していた。700mAhという容量の大きいバッテリを使用し、高度を稼いだあとはモーターカットして滑空させていることもあり、その気になれば飛行時間は30分くらい充分に稼げそうである。


(2) 飛行性能

 とにかく安定している。かといって小回りが効かないわけでもなく、急旋回も充分可能である。もともとハンドランチグライダーだけあって滑空性能も申し分ない。ただし舵面が大きいせいか、荒い舵を使うとすぐに抵抗が増えて速度を失い、高度を落としてしまう傾向があるようだ。充分に滑空させるには繊細に操作することが必要だ。機体の速度を保ち、空気に乗り続けることを意識しなければならない。初めて遭遇する感覚だけに、非常に新鮮で魅力的である。


 (3) サーマルソアリング、土手スロープソアリングは可能か

 重量が増えてしまったこと。主翼に何の工夫もなしにモーターを取り付けてしまったため、翼の性能が落ちていると考えられること。モーターカット後はプロペラが抵抗になっていることなどから、滑空性能はノーマルの機体より明らかに落ちていると結論できる。サーマルソアリングは、少なくとも寒い季節にはあまり期待しないほうがよさそうだ。実際これまでのフライトではサーマルに乗ったような挙動はほとんど示さなかった。ただしこれまでのフライトではサーマルに遭遇していないのかもしれないので、弱いサーマルに乗るのはまったく無理、とは断言できない。今後飛ばし込んでいくうちに結論が出せるだろう。

 土手スロープソアリングについては、まだ試していないのでなんとも言えない。機体の滑空性能を見る限り、少し強めの風が吹いていれば充分可能だろうとは思う。風の条件が合えば挑戦してみよう。


(4) 総評

 高度を取ったらモーターカットして滑空させる。高度を失ったら、またモーターオンして高度を取る。この繰り返しだけなのに、思わず顔がゆるんでしまうほど楽しい。遠くに離れてしまってもモーターオンすれば手元まで帰還させられるし、ハンドランチにこだわらずに動力化して正解だった。今後もサーマルソアリングや本当のスロープソアリングに挑戦したり、ハンドキャッチを目指して腕を磨いたりと、Snappy改で幅広く楽しむことができそうである。飛ばないから、と放り出したハンドランチグライダーが手元にあったら、こういうやり方で動力化してみてはいかがだろうか。投資した以上に楽しめること間違いなしだ。 (平成13年11月26日)


関連ページご紹介

 このSnappy改はDokさんのホームページ「Dokのちゅうどくしょうじょう」の「タダスさんのQRPのスナッピー(改)」のページでも紹介されています。本コラムでは紹介していない映像を見ることができます。

 タダスさんのQRPのスナッピー(改)ぜひご覧ください。

 DokのちゅうどくしょうじょうはクラフトるうむのマイクロペッパーUをこよなく愛し、紹介するページです
 マイクロペッパーUファンは必見!!


RCNaviから一言

 このページでご紹介させていただいたコラムは、とあるRCプレーン・ファンの方から寄せられたものです。
 ハンドランチグライダーは手投げだけで高度を稼がなければならず、また、うまくサーマルに乗せるなどの初心者にとっては技術的に難しい面があると思うのです。
 しかし、このコラムの作者はハンドランチの電動化を思い立ち、見事にモーターグライダーとも一味違う、ハンドランチグライダーの世界を我物にしてしまいました。 
 ハンドランチグライダーは手投げだけで高度を稼ぐ必用があることから、通常のグライダーよりも小型・軽量で、しかも、わずかなサーマルをキャッチして上昇できるように軽量、かつ、非常によく浮くように設計されています。そのハンドランチグライダーに小型モーターユニットを搭載し、動力化したのですから、モーターのパワーで簡単に機体を空高く上昇させることができます。手投げだけで高度を稼がなければならないハンドランチに比べるのこの労力の差は歴然です。しかも、元々よく飛ぶハンドランチですから、モーターカット後の滞空時間もかなり期待できるはずです。運良くサーマルをGETできれば...なんて考えると、もう、よだれがでそう! 「そんなに世の中甘くないよ!」 といわれても、モーターランで再上昇できるので、何度でもトライできます。しかも、主翼を付けたままでも車の中にポンと入れておけるサイズだから、持ち運び楽チンで気が向いた時にいつでも即フライトできる。正にお手軽癒し系のRCプレーンだと思います。
 アクロやスピード、技術を競うだけがラジコンの楽しみ方ではないと思うのです。 こんなに穏やかに楽しむことができるRCプレーンは素晴らしいと思いませんか?
 このコラムをご覧になって一人でも多くの方にRCプレーンの魅力を感じていただき、これからRCプレーンを楽しむための一助となれば幸いと思っております。
 そして、最後になりましたが、このコラムの記事をご提供いただきました、RCファンの方に心からお礼を申し上げます。

その3. これなら手軽にハンドランチ!!
1.グライダーが欲しかった 2.バルサキットに初挑戦 3.ハンドランチグライダーの夢砕ける
4.お手軽動力化 5.ビギナーズ・ラック 6.フライト・インプレッション
7.関連ページご紹介 8.RCNaviから一言
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